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​学校のタブレットについて

私たちは新しい「リアル教育」を目指して、スマホを「持たせたくない」保護者を応援します。

こどもタウンニュース

株式会社タウンニュース社(代表取締役/宇山知成、本社横浜市青葉区)
こどもタウンニュース2021.7.15

学校のICT教育用のタブレットは、

学校に預かってもらうようにお願いすることができます。 

藤沢タウンニュース 原田久先生.JPG

記事のダウンロードができます

もう少し詳しく

★スマホの刺激はテレビの4倍
 テレビの場合、睡眠に影響が出るのは約2時間からですが、スマホの場合は30分です。つまりスマホはテレビの4倍刺激が強いと考えられます。寝る前の2時間スマホはテレビなら8時間と同じです。脳が興奮して眠りが浅くなってしまいます。

 

★記憶力が落ち成績が下がる
 睡眠が悪くなると脳に老廃物がたまり、イライラしたり記憶力が落ちます。特にラインの場合30分でも成績が下がり始めます。

 こうした変化は、大人や、中高齢者でも生じ、最近では、デジタル認知症として注目されています。

★話す力を奪う
 小学高学年から中学になると親から離れて友達が大切になってきます。この時期には恥ずかしがりの子もがんばって仲間に入る努力をします。そして人前で話せるようになっていきます。
 ところがそこにスマホがあるとどうなるでしょうか。ラインで仲間とのやり取りを済ませ実際に話す努力をしないといつもでたっても話すのは苦手のままです。スタンプを押すだけでは話す力はつきません。
 こうして親友や恋人ができなかったり、人づきあいが苦手で仕事が続かない若者が増えています。大人になってから会話力をつけるのは本当に難しいからです。

★スマホやタブレットを持たせるのを遅らせよう 脳が敏感な子どもの場合、1日に数時間という短時間でもイライラして落ち着かなくなり成績が下がります。発達障害と間違えられることもあります。また発達障害の子供はスマホやタブレットに非常に弱いことが分かっています。これは娯楽用だけではなく、教育用の使用でも同様です。

 

 

保護者の方へ ― 学校に協力を求めるには

★敏感な子どもの場合、保護者は学校に柔軟な対応を求められる

 子どもがスマホやタブレット、ゲームなどにのめり込みやすい場合には、学校のタブレットは学校のみの使用とし、家に持ち帰らず、学校で預かってもらうこともできます。同時に家庭でも、個人用のスマホは持たせるのを遅らせることが大切です。

★合理的配慮とは

 政府は子どもの個性に合わせた教育を推進しています。2014年、国際連合憲章の原則に則り、障碍者の権利に関する条約締結され、日本においても、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が2016年に施行されています。

 スマホの害が心配なお子さんの保護者は、医師の意見書を学校に出すことで「合理的配慮」を求めることが可能です。また、公認心理士は「合理的配慮」の一環として、児童生徒の支援ニーズおよび意思の把握、そして援助ニーズに応じる方法を提案するとともに、合理的配慮を決定するプロセスにおいて保護者等を心理的に援助することとなっています。

★教職員は協力的なことが多い

 タブレットを学校に預かってもらい、調べ学習は学校で行うようにお願いすると、意外とすんなり協力してもらえることが多いです。確かに、初めはどんなモンスターペアレントか、と警戒されることがほとんどですが、

「うちの子どもは、落ち着きがなく、家では動画やゲームに夢中になりがちなので、さらにタブレットを持って帰るのは心配です。」との理由さえわかってもらえば、協力的な教員の方が多数派です。

 実際には医師の意見書を求められることもなく、このページの冒頭の

「こどもタウンにユース」の記事を持参するだけでも十分なことがほとんどでしょう。

保護者の声

★小学1年の息子が通う学校はモデル校で、4月の入学時からタブレットの持ち帰りが始まりましたが、担任の先生に面談をお願いしたら、初めは、非常に警戒されましたが、タブレットの子どもへの影響について説明したら、結局よくわかってくれて、家に持って帰らなくてよいことになりました。逆に、詳しく知りたいからと保護者対象のセミナーを頼まれています。PISAのアドバイザーの勉強が役に立ちました。

 子どもはとてもがっかりしていましたが、ダンクレイ医師の研究によると、学校だけの使用なら比較的安全とのことだったので、「学校ではいいよ」といったら、大喜びしています。

 

★中学生の子どもの通う学校は夏休みからタブレット持ち帰りの予定で、保護者面談の時にその確認をされたので、「うちは結構です」と断ったところ、そのまま、何の音さたもなく、家に持ち帰らず、すんでいます。拍子抜けするほどでした。

     子どもによると、学校では、授業中から、タブレットで授業を受けているふりをして動画を見たり好きなことをしている生徒がたくさんいて、後ろの席から見ると、画面が真っ黒 (注:プライベートビューという履歴が残らない方法でネットを見ていることを示す) なんだそうです。知らないのは先生ばかりとか。

意見書の例

【例1】

日付____
氏名_____  生年月日_____

上記の者について、下記のごとくの配慮を指示す。

医学・心理学上の理由により、下記の期間、学校のタブレットの家庭への持ち帰りを禁ず。


〇年〇月〇日 ~ 〇年〇月〇日
この件に関する、意見書が後日発行されることがある。

所属______   医師 / 公認心理士___ (署名)__________________  "

【例2】

日付____

氏名_____  生年月日_____

上記の者について、下記のごとくの配慮を指示す。

スクリーンタイムに起因する神経系の過剰刺激および、慢性的な過覚醒状態により、注意の障害、気分の変調、行動および・または睡眠に悪影響が懸念されるため、下記の期間、全てのコンピューターおよびエレクトロニクス機器の使用を禁ず。


〇年〇月〇日 ~ 〇年〇月〇日
この件に関する、意見書が後日発行されることがある。

所属______   医師 / 公認心理士___ (署名)__________________

== 補足説明 ==

ビクトリア・ダンクレイ著 「あなたの子供の脳を救おう」(Reset Your Child's Brain)より   (この本に関する学習会があります)

 通常、具体的な診断名は、保護者が希望しない限り書かない。保護者が学校にさらなる配慮を求めるために診断名を書くことが有用である場合は、さらに詳細に書く。
また、上記の例【例2】では、スクリーンタイムに起因する云々との記載をしたが、それらの記載はせず、単に、「医学上の理由により、下記の期間、全てのコンピューター・エレクトロニクス機器の使用を禁ず」とのみ書くことも多い。"

 

 いずれにしても、このような意見書が欲しければ、かかりつけの小児科医または小児精神科医にこのひな形を持っていき、それにそのままあるいは、必要に応じて修正してサインをして、リセットプログラム(3週間のデトックス)をするあなた(保護者)の努力の支援をしてもらえるように依頼する。

 

 その医師のスクリーンよる精神への影響に関する知識にもよるが、私はほとんどの医者がこうした助けを嫌がるとは思えない。結局のところデジタルツールの制限には危険はない。ほとんどの医師は、アメリカ小児科医会の子どものスクリーンタイムは2時間以下にという勧告を知っているし、多くの子供がこれを超えてしまっていることもわかっている。

  学校や先生やあるいはほかの施設にもよるが、たいていは、こうしたお願いをメールで送るだけで十分なことも多い。

合理的配慮の求め方
研究事例[2]
研究事例[1]
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